さすてな京都の学習プログラム見学レポート

京都市南部クリーンセンターに併設する環境学習施設「さすてな京都」(京都市伏見区)では、土曜日と日曜日に随時イベントが開催されており、特に子どもとその家族向けの学習プログラムが充実しています。

10月2日(土)にはSDGsカードゲームを使った環境学習プログラムを実施し、参加者が楽しみながら生き物の食物連鎖について学びました。

ゲームを通して身近でも見られる生き物たちの関係性を知る

さすてな京都で行われているのは、SDGsカードゲームには、「いきもの編(里山の生き物を学ぶカードゲーム)」と「食ロス編(食品ロス削減啓発のための京都市オリジナルカードゲーム)」の2つのプログラムがあり、今回は「いきもの編」に取り組みました。まず、さすてな京都のスタッフによる生き物と食物連鎖についての話のあと、参加者がゲームに取り組みました。

ゲームは、昆虫や植物、カエルやヘビ、鳥や大型哺乳類など、1枚ごとに1種類の生き物の情報が記されているカードを使って食物連鎖の具体例を学んでいくもので、参加者が順番に手持ちのカードを出していく形で進められます。カードには、生き物の写真と名前、生息するフィールドなどが記されており、カードの端に色分けされているインデックスを色合わせしてカードをつなげていけば、食物連鎖の流れの一例ができあがる仕組みになっています。

参加した子どもたちは、はじめは各カードの写真を見て「これ知ってる!」「前に教室で見た!」などと生き物そのものに注目しつつ、ルールに慣れてくると捕食と被捕食の関係も意識しながらゲームを楽しんでいました。保護者の方も、「これこないだ見たな」と子どもに声をかけたり、「タヌキってアオダイショウ食べるんやなあ」と保護者自身が興味を示しながら一緒にゲームを楽しむ様子が見受けられたりしました。

勝ち負けにはこだわらず、お互いの手持ちカードを一通り使い切って1ゲームが終了したころには、複数の食物連鎖の関係を見つけていました。

ゲーム前に食物連鎖について教わる
ゲーム前に食物連鎖について教わる
どんな生き物のつながりが見つかるかな?
どんな生き物のつながりが見つかるかな?

身近な生き物に関心を向けることの大切さに気づく

ゲームの後、この日のガイドを務めたスタッフによる話があり、地球上には3千万種類もの生き物がおり、そのうち名前が付いているものは約150万種類ほどであることや、京都市が実施中の市民参加型調査「京の生きもの生息調査」についての紹介がありました。「一人の人間が生き物を絶滅から守ることは難しいけれど、まずはその生き物の現状を知ることが大切」という話は、子ども・大人を問わず、重要なメッセージとして参加者は受け止めたことでしょう。

ちょうどツバメが日本を去って南方へと渡る時期という話の流れで、さすてな京都の展望台から撮影したツバメの大群の写真をスクリーンに映し出しながら、近くのヨシ原(ヨシの群生地)に南方へ飛び立つ前のツバメたちのねぐらがあることに触れられ、参加者は身近な生き物であるツバメの意外な生態について知ることとなりました。

まずは様々な生き物がいること、そして、その生き物たちが関連性をもっていることを知る……

生物多様性と自然環境を適切に保全し、持続可能な地球環境を形成していくためにも、大人も子どもも、より多くの人がまずは身近にいる生き物に関心を寄せることの必要性を、改めて気づくこととなりました。

ゲームで見つけた食物連鎖の一例
ゲームで見つけた食物連鎖の一例

※使用カードゲーム『どうぶつの里』(制作:BEANS BEE)

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